私は周囲の友人や知人から”几帳面”(場合によっては”神経質”)と言われる。自覚はないのだけれど、身近な人が言うのだからきっとそうなのだろう。ただ、靴づくりにおいてその能力は発揮できていない。残念ながら今のところ・・・。
頭では「ここをこうしたい。そしてああしたい」と思うのだが、なかなか技術がそれをさせてくれない。違和感や間違いに気がつき、繊細で丁寧な仕事をしたいのだが、それができない。しばらくはその葛藤が続きそうだ。
手製靴には200以上の製造工程がある。しかも機械を使うことなんてほとんどない。だからつくる人間の個性がその靴には表れる。課題靴として同じものをつくり、完成品を並べてみても、生徒によって違いがでる。そこが面白い。
卒業作品展は二年間の集大成。そして課題靴にはない自由が許される。どの靴も今まで以上に生徒自身を表現してくるのだろう。共に過ごしたクラスメイト、その性格と作品を比べることがとても楽しみだ。
同じ班で学んだ”面接メイト”は、すでに2足の作品をほぼ完成させ、「良いと言われることもあれば、笑われることもあるし、無言にさせることだってある」とつぶやいている。
卒業作品展まであと8日。私の2足は”几帳面”ではないどのような個性をお見せできるのだろうか。少しでも自分と似ていたら嬉しい。