2011/03/31

卒展後記。

ひとつの工程を終えて次の工程に移る時、ちいさな達成感を覚えます。
その工程がいくつもいくつも重なって、一足の靴が出来上がった時には、
抑えきれぬよろこびでにやにやしてしまうほど。
毎度反省や失敗はあれど、靴に込めた想いができあがった靴からエネルギーとして返してくれるように感じます。


さて、第10回卒業作品展は、'想い' というテーマのもと
わたしたちが惹き込まれた手製靴の世界の魅力に少しでも触れてもらい、
展示会そのものを楽しんで帰って頂きたいとの考えで実行委員を中心に課題や卒業作品と並行して準備に取り組んで参りました。
私は、漠然と素敵な展示会にしたいとのおもいから、大きな会場づくりへの希望と不安を抱きつつ、演出に参加させて頂きました。


開催直前には東日本大震災という大きな出来事があり、展示会の開催にあたってもたくさんの不安がありました。

展示会中は交通機関の混乱などあるにもかかわらず、予想以上に多くのお客様にご来場頂き、特に大きなトラブルもなく無事開催終了を迎えることができました。



来場して頂いた方からは

「会場が落ち着き、和む」
「コーナーごとの隙がなく何周もしてしまった」
「感動した」
「靴がたくさんあって会場にいるだけで楽しかった」
「会場にきて明るく前向きになれた」

などいくつものありがたいお言葉を頂き、積み重ねてきた事を間違いではなかったと思い、また開催させて頂けたことに感謝でいっぱいになりました。


普段は主に靴と向き合い独りでの作業を続けている中で、
まだ見ぬ ’卒業作品展' を目指して、見てきたものや感じ方がそれぞれ違うみんなと意見を交わしたことは、常にあたらしく刺激的だったと思います。
遠回りやぶつかりあいもありましたが、そのひとつひとつのやりとりが積み重ねとなってかたちになったとき、会場でみんなの笑顔を見たとき、エネルギーになったかもと、なんだか感激しました。


特にぬけている私は、本当に日々周りのみんなに助けてもらい卒業ができたものだと思っています。
社会人を経て、再び経験した2年間の学校生活は本当に貴重な時間でした。
ここで出会ったみなさんは、本当に素敵な方ばかりで日々、あたたかいやりとりやおもいやりに感激していました。




卒業作品展をつくるにあたって


会場演出を最初から最後まで一緒に考え携わってきてくれた
鈴木さん、小島さん、小山くん、安達さん、実行委員長だけど大谷さん、山崎さん、黒岩さん

DM、広報、ブログの管理、アンケート等、幅広く完璧にこなしていた
藤波くん、冨宿さん、

会計も管理しながら常に全体を見渡してくれていた
樋口さん、荒木さん、

素敵な音楽で会場をまとめ盛り上げてくれた
河崎さん、山田さん、

日曜も放課後も使って卒展準備をしてくれたクラスのみんな、
特に長谷川さん、佐藤さん、櫻井さん、

会期中も常に笑顔でお客様を迎えてくれた会場スタッフのみなさん

とにかく会場づくりから搬入、搬出、解体まで参加してくれたみなさん

製作や仕事で時間のない中で労を尽くして全体をまとめてくれた実行委員の
大谷さんと、安達さん


本当にお疲れさまでした。
全員の名前を挙げてキリがなくなってしまいそうです。
自分の靴づくりも大切にしながら、貴重な時間を費やしてくれたみなさんのちからで素敵な展示会場になったのだとつくづく思います。
普段からお世話になりながら、卒展を通して真剣に関われたことは、とっても幸せでした!
ありがとうございました。


卒業作品展を開催させてくださった学校の先生方、靴づくりだけでなく、たくさんの事を教えて下さいました。
本当にありがとうございました。


突然終わった学生生活のあとの余韻のなか時間が空いてしまいましたが、
報告等し合うことなくあっという間に終わってしまった卒展、学校生活への想いを、僭越ながら書かせて頂きました。


これからも、靴やものをつくり続けていく中で繋がることができたらうれしく思います。
どうぞよろしくお願いします。




最後になりますが
東北地方太平洋沖で発生しました地震により被災された皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。
一日も早い復興と、ひとりでも多くの方のご無事を心よりお祈りしています。



















まだ夢の途中

「あっという間だった。 」

多くの人に出会い、支えられ、学校に入って良かった、靴をつくり始めて良かったと、つくづく思います。

この想い、この気持ちを忘れないよう、これからも靴と共に生きていきます。

いつも、いつまでも。

卒業作品展を終えて

サルワカ・フットウェア・カレッジを卒業して一週間が過ぎた。

靴づくりや作品展の準備に追われていた学生生活も終わり、少し毎日に余裕ができつつある今、改めて来場者の方に書いていただいたアンケートを読み返してみた。

卒展実行委員の一人として微力ながらも一年間携わってきた作品展だから、それを褒めてくださるコメント、そのひとつひとつが素直に嬉しい。

当初は何が正しく、何が間違っているのかもわからないままのスタートだった。それが皆で話し合い、導き出した答えを信じ、お互いを助け、最後は限られた時間のなかでも迷いなく前へと進むことができた。

皆を上手くまとめてくれた人、素晴らしい作品展案を考えてくれた人、効率よく色々な作業をサポートしてくれた人・・・、本当に良い実行委員に恵まれたクラスだったと思う。

私達はカレッジの歴史で一番新しい場所にいた。過去の作品展で、これまでの卒業生が経験してきた成功や失敗を活かせる環境にいた。

アンケートに寄せられた、"第10回 卒業作品展"への評価はすべての作品展から成り立っている。そして、在校生にはこの経験を次回の作品展へとつなげていってほしい。


3月23日はこの学校での二年間を象徴するような、とても温かく楽しい卒業式だった。これからもここで知り合えた仲間と協力して、ずっと靴づくりを続けていけたらと思う。


-経年変化-

「私達はずっと歩くことのできる靴を手に入れた」

「これからはそれを磨き 履き続けていくことが大切となる」

「そこに 私達を惹きつけた手製靴の魅力があるのだから・・・」

2011/03/28

全生徒の作品

全生徒の作品は以下サイトにて公開しております。
製作者のプロフィールと合わせて、是非ご覧ください。

Picasa ウェブアルバムへのリンク
 

アンケート投票 第1位


本科2年 樋口 哲哉 B-21


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・色も形も流れるようで素敵。
・完成度が高く美しい。ムラがない。
・奥様への想いが伝わってくる。
・とてもエレガントでルイヒールが味付けになっている。
・気品ある雰囲気、素敵な大人の女性のための靴。
・上品でありつつもクラシカルな迫力に感銘を受けた。
・製作する動機とその製作姿勢の強さを感じた。
・素晴らしい、同じものが欲しい。
・正面、横顔、後ろ姿、見る角度から色んな表情が見えて美しい。
・すっきりしたデザインで、いつの時代にも合いそうな一足は持っていたい靴。
・靴全体のラインが綺麗。ベルトの幅や金具の大きさ等、バランスが計算された作品。
・とてもシンプルで決して主張しているわけではないのに存在感があり目にとまる。

アンケート投票 第2位


本科2年 村上 奈穂 B-24


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・ジョジョの世界に出てきそうな有機的ラインがすばらしい。
・しわが柔らかな素材感と相まって良い雰囲気。
・考えられたパターンと全体からの雰囲気に感動した。
・基本を守りながら製作者のアイデアがよく盛り込まれている。
・ボタンのラインが印象的で履いてみたい。足がキレイに見えそう。
・デザインと素材、色が程良くマッチして、くたっとした雰囲気が良い。
・印象的、パンチがあるのに品がある。
・履くと日常が特別なものになりそう。

アンケート投票 第3位


本科2年 市川 優子 B-04


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・ブラウスの要素を靴に落とし込んだ発想が面白い。
・少しレトロで昭和の感じがするホッとする靴。
・この靴ならおしゃれな服をみつけて出かけたいと思う。
・可愛いと一目見て思う。女の子らしくわくわくする靴。
・うめの花びらにも、ブラウスの襟にも見えるかわいい靴。
・気分が乗らない日に履けば元気になりそう。
・デザイン・色・フォルムが非常にまとまっているように感じる。

2011/03/27

アンケート投票 第4位


本科2年 新井 俊平 B-28


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・一目でわかる個性とは魅力的。
・使用しているウィールとコバの幅のバランスが良い。
 (ウィールをただ細かくせず、コバもせめすぎていない)
・編んであるベルトが上品ですごく良い。カッコイイと素直に思った。
・アッパーから見たコバ、ソールの形、ヒールの大きさがバランス良い。
・デザイン・設計・作り全て良い。
・ホールカットへの努力が感じられる。

アンケート投票 第4位


本科2年 藤波 健太 B-23

(2010年度本科コース2年目 首席)


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・特徴的なデザインで目に止まる。
・糸と革の色合い、木型の形とデザインの丸さが良く調和されてる。
・あったかい雰囲気、細かい部分にもこだわりを感じる。
・写真からイメージして製作するという発想が面白い。
・ボリューム、カラーともに決して派手ではないのに強いイメージが浮かんでくる。
・楽しんで作っているのが伝わってくる。これからのコレクションを早く見たい。

アンケート投票 第6位


本科2年 櫻井 恵 B-13


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・自分が女性だったら履きたい。
・ウェルテッドの靴であって、ギリギリの所でまとめている。
・デザイン・素材・フォルム・ヒール形のバランスがすばらしい。
・ボタンがスウェードによくマッチしていた。

アンケート投票 第7位


本科1年 生山 真 A-13


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・個性的だけど親しみの湧くデザインに目がとまった。
・おとぎ話の小人や少女が履いていそう。
・サルワカで学びつつ、このはみ出し方がとても良いと思った。
・良い意味でも、悪い意味でも「アジのある」一足。

2011/03/26

アンケート投票 第8位


本科1年 塚本 崇士 A-44


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・印象に残る色使いとデザイン。
・カジュアルにもフォーマルにも使いまわしができそう。
・大人の遊び心が感じられる。
・ブーツなのに重く感じず気楽に履けそう。

アンケート投票 第8位


本科1年 濱田 剛 A-51

(2010年度本科コース1年目 首席)


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・穴がたくさん開いているけど、不思議とクドくない。
・男性・女性年齢問わず色々な人から愛されそうな一足。
・靴を眺めているだけで幸せを感じる。

アンケート投票 第10位


本科1年 中村 和貴 A-48


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・女性のおしゃれにも良い。
・何処から見ても輝きがすばらしい。(アイデア賞です)
・お店に並んでいたら私も一足仲間に増やしたい。素直にそう思えた。

アンケート投票 第10位


本科1年 濱田 剛 A-52

(2010年度本科コース1年目 首席)


【来場者からのコメントより一部抜粋】

・黒一色の中での細かく凝ったデザインにとても惹かれた。靴の底がとにかくスゴイ。
・靴底の模様、細かな所まできちんとできていた。
・全体像が落ち着いていてバランスが良かった。

学校長賞


本科2年 山崎 悠斗 B-49

学校長賞


本科1年 足立 衣利 A-01

2011/03/20

卒業作品展 最終日

早いもので『第10回 サルワカ・フットウェア・カレッジ 卒業作品展』最終日。

三日間で一番多くの方に来場いただきました。
作品展期間中は晴れの日が続き本当に良かったです。



最終日に紹介するのは「2年生 ビスポーク作品」コーナーです。


足のかたちは一人一人違います。さらに右足と左足をくらべても、対称ではありません。
そこで、より足にあった靴をつくるための計測をし、石膏で個々の足型をとり、木型をつくるところからはじめました。
つぎに出来上がった木型からデザインをおこし、履き心地と両立できるように自身と対話を重ねながら製作をおこないました。

ビスポークの語源は "be spoken"、お客様と「対話して仕立てる」という意味に由来しています。

手作業によるオリジナルの木型から生み出されたビスポークの靴を是非ご覧ください。









ご協力いただいたアンケートの集計結果は後日公開します。
たくさんのご意見、ご感想を来年の作品展、靴づくりの参考にさせていただきます。


作品展の開催中、会場に設置していた「東北関東大震災義援金」箱は、サルワカ・フットウェア・カレッジのホームページより報告させていただきます。

2011/03/19

卒展2日目を終えて

無事に卒展2日目も終了しました

東北関東大震災から1週間…

作品展の準備も一時中断し
開催も出来ないかもしれない状況でした

自分自身も不安で何も手につかない状態…

でもそんな時
学校側から「止めるのは簡単、やれるところまでやりなさい」とゆう言葉を頂き

学校では生徒のみんなが、黙々と自分の作品の制作を続けている姿を見て

実行委員長の自分が下を向いてちゃいけない
自分が前を向きゃなきゃいけないと気付かされました


他の学校では卒業作品展を中止にした所もあります
こんな時に不謹慎だと言う方もいるかもしれません


でも
今僕たちの出来る事、するべき事は
笑顔で普段通りの生活をする事 (節電、節約は勿論ですが)

それがサルワカ・フットウェア・カレッジの答えです


この2日間たくさんのお客様が来て下さいました
「すごく面白かった」「元気をもらいました」
とゆう大変ありがたい言葉を頂き、開催は間違いでは無かったと信じています


開催させてくれた学校
学校の仲間達
来て下さったお客様
応援して下さった皆様
義援金に協力して下さった皆様

全ての方に感謝です


震災の影響で来れない仲間もいます
学校のスタッフの中にも故郷が被害に遭われた方もいます

その人達の為にも

明日も笑顔で!
元気に!
お客様をお迎えしたいと思います!!


最後になりますが

東北地方太平洋沖地震により被害にあわれた皆様に、心よりお見舞い申し上げます
一日も早い復興を心より願っております

卒業作品展 2日目


本日は三連休の初日で天気にも恵まれ、生徒の両親や友人、ブログやTwitterを見た方など、より大勢の方々に来場いただきました。
他にもOBの方やカレッジの講師、浅草の革屋の方なども見に来て下さいました。
本当にありがとうございます。


本日紹介するのは「1・2年既製木型作品」コーナーです。

ここには、当カレッジの既製木型を使用した作品を展示しています。
十数種類ある木型から、作品のイメージにあった形状を選び、靴の製作をおこないました。









ネームカードと合わせて見ることで、製作者の"想い"をより強く感じていただけたかと思います。


生徒個々の作品写真は近日中にブログにて公開します。
アンケートのコメントも一部抜粋して記載する予定ですので、どうぞご期待下さい。

明日は最終日です。予定通り11時から開場となります。
お誘い合わせの上、どうぞお越し下さい。

2011/03/18

卒業作品展 初日

震災から間もない厳しい状況でしたが、多くの方々に来場いただきました。
ありがとうござます。


本日生徒は午前9時から開場の設営を行いました。






前日に完璧に準備したはずが、色々と不手際がありスタートにかなりバタついてしまいましたが、どうにか準備が整い『第10回 サルワカ・フットウェア・カレッジ 卒業作品展』をスタートすることができました。




今回の展示は「手製靴の世界へようこそ」「1・2年既製木型作品」「卒業生・講師作品」「2年生ビスポーク作品」と、大きく4つのコーナーに分かれています。

本日はこの中の「手製靴の世界へようこそ」を紹介します。

ここに並ぶ靴は、2年生が去年の卒業作品展で製作したモノです。
履かれる度底が減り、革がこなれて皺ができ、中底が足形に沈んで、自分の癖が表れる。
味わい深い表情となり、そこには何にも代え難い魅力があります。





1足の靴をつくるには100を超えるパーツがあり、アッパー(靴の甲部分)の縫製から、靴底(本底)やヒールの積み上げ、シャンクといった見えない細部までも自身で加工し、組み立てています。
丁寧に時間をかけ、その技術と感性が独特の雰囲気となり味をだす。見えない部分にいたるまで“想い”がこもっています。





いかがでしょうか?
他のコーナーについては、明日、明後日のブログにて紹介させていただきます。

明日は予定通り、11時から開場です。
閉場時間については、節電と交通機関の関係により、予告なく早める場合がありので、大変ご迷惑をおかけしますが、できるだけ早い時間のご来場をよろしくお願いいたします。