2011/12/19

皮 革 靴


先日 底材屋さんで
月型やらウェルトやら
本底やらを買った

様々なかたちに切り出された革たち

なめされて皮から革へとかわり
今や原型もとどめないけれど
もとは牛や豚のかたちをしていたわけで

それを想うと
たいそう罪深く贅沢なものを扱っているのだと
あらためて感じたりする

それなのに ともすると
単なる材料、素材としてなんとなく扱ってしまっていたりもする

とても傲慢なはなしだ


革に対して謙虚に
一片たりとて無駄にすることなく
その革の性質、その皮の生前の歴史を見極め
よりベターな方法でもって活かす

こうやって学んだことを悟ったように書いていると
自分の未熟な技術の
“犠牲”となった革たちに罵られそうでおそろしい

気を引き締めて彼らと対峙していかなければ
そうおもう今日この頃です

それにしても

平面の革がこれほど起伏に富んだ足を包むくつになるなんんて

牛を包むくらいだから当然といえば当然だが

よくよく考えるとすごいことだ

革が化けるとかいて
“靴”などと
よく言ったものである